PCで音楽制作R その2

☆パラメータの作り込み方

MIDIの音符データの基本的な項目「開始時刻(小節、拍、ティック)、音程、 強さ(ベロシティ)、長さ」を適切に作成する方法ですが、

・ソフトの機能で変化させる……一部のMIDIソフトは「クォンタイズ」機能 の拡張機能で、「指定された範囲で値をランダム化する」機能を持っていま す。ただこれは、演奏者が考えるような変化を再現するわけではありません。

・MIDIコントローラで生演奏を入力する……MIDIコントローラで演奏をリア ルタイム入力する方法がありますが、楽器をプロのように上手く演奏できる 必要があります。

・ソフトで直接データを入力する……演奏ができない場合は、高度なデータ を作成するにはソフトで直接入力するしかありません。そこでデータの数値 を決める方法を、まず一般論から解説します。

・開始時刻……拍(ビート)

MIDIデータを見ると、全パートの音符の拍が0ティックに揃っているものが 多いですが、実はこれは最善ではありません。拍とは、音の最初のピーク (最大に聞こえる部分)のタイミングを揃えるのが基本です。

MIDI音源では、指定された開始時刻から発音が始まるのですが、各音色では 音量 変化のカーブ(エンベロープ)が設定されていて、発音開始から最大まで の時間を「アタックタイム」として設定されています。アタックタイムは、 音色によって異なりますし、またMIDI機器によっても異なります。ですから アタックタイムの差を補正するために、パート毎に開始時刻をずらさなけれ ばなりません。

未調整のデータ                 音色別にタイミング補正したデータ  音色名
18:01:000 CH1  B3    110 1:060 <17:4:110>CH1  B3    110 1:060 VoiceLuhFemale
18:01:000 CH10 Shaker 80    30 <17:4:118>CH10 Shaker 80    30 TR-909(Drumset)
18:01:000 CH5  F#4   100    60  18:1:000 CH5  F#4   100    60 JUNO Strings
18:01:000 CH5  G2     80 4:000  18:1:000 CH5  G2     80 4:000 JUNO Strings

なお、ソフトによっては音符の開始時刻をずらさなくても、パート全体の時 刻をずらす機能を持っているものがあります。ただし、CH10のドラムセット は例外です。このドラムセットは、音程別に複数のドラムやパーカッション 類の音色が割り当てられていて、やはり音色毎にアタックタイムが異なるの で、音色(音程)毎にタイミングの微調整が必要です。

それとは別に、演奏の演出上、音を早めに出したり、遅らせて出す場合があ ります。これは音符データ側で指定するのが適切です。また、演奏ではなく 音響的な演出上、発音をずらす場合もあります。複数のパートで同時に発音 する場合、タイミングをずらすことで特定のパートを目立たせることができ るからです。特に、音量を大きくせずにすむのがこの方法の特徴です。

タイミング未調整のデータ            CH3を目立つように調整したデータ
2:01:000  CH3   E5     100    90   <1:04:119> CH3   E5     100    90
2:01:000  CH5   F#4     85 4:000    2:01:000  CH5   F#4     85 4:000
2:01:000  CH5   D4      65 4:000    2:01:000  CH5   D4      65 4:000
2:01:000  CH5   B3      80 4:000    2:01:000  CH5   B3      80 4:000
2:01:000  CH5   G2      30 4:000    2:01:000  CH5   G2      30 4:000

(つづく)

注: この記事では、Last regrets(作詞・作曲・著作権者: Key)の楽曲を耳コピして制作したMIDIデータの複数のバージョンを引用しています。


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