PCで音楽制作S その1

(前回のあらすじ) 各楽器の演奏手法を考慮しながら打ち込んだデータをN.Mさんに聴いていただくと物足りなそうでした。他の作者のデータと比較して劣っているところは一体どこなのか!?

とりあえず、N.Mさんに他の作者のデータをいくつか聴いていただきました。曲が変わる毎にN.Mさんの表情は変わります。

N.M「いやぁありがとうございました。MIDIって結構すごいんですね」
J.T「昔の音源と比べると全然よくなってるから」

さて、それでは問題点の分析です。N.Mさんが喜んでいたデータとそうでないデータを比較することで、問題点は容易に明らかになるはず。

分析は、実際に演奏させた音を聴くだけでなく再生ソフト「TMIDI Player」のコンソール表示を見ることにしました。曲毎の音色や音符の動きの違い、楽器毎のパラメータ設定の変化など、着目するポイントは多岐に渡ります。

そしてしばらく分析を続けているうちに、ふとコンソールの右上に表示されている「Insertion1」に目が止まりました。どうやら問題は基本的なデータではなく、エフェクターだったようです。

私が使っていたソフトシンセ音源で使用可能なエフェクターは「システム・エフェクト」で、エフェクターでは定番のリバーブ、コーラス、ディレイの各機能がパート毎に独立して設定可能です。当然私もそれらを利用していました。

しかし、ハード音源ではシステム・エフェクトの他に「EFX(インサーション・エフェクト)」機能が備わっています。これはシステム・エフェクトより強力で、数十種類の効果から1種類を選んで使用可能なエフェクターです。

ふつうのリバーブをかけただけでも音がある程度広がって聞こえるものの、EFXのある機能を使うと空間的に相当広がった音に変えることができます。音楽を聴く場合、個々の楽器の音をクリアに聴くのでは物足りなく、エフェクタを強力にかけた音の方が気持ちが良いということなのでしょう。

種が分かったところで、音源を変えてEFXを使ったアレンジへ変える作業を行いました。実際には、音源が変わることで音色が変わるため、パート間の音量バランスだけでなく、一つ一つの音の出方(引っ込み方)を調整し直したので、作業には数時間ほどかかることとなりました。

私 「直してきました。また聴いてください」
N.M「はい。……あ、今度のはすごく良くなりましたね。一番いいですよ」

本日の作業……成功。(つづく)


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