PCで音楽制作S その3

(前回のあらすじ) 和音をL/R分離するテクニックによりサウンドの雰囲気を変える作戦は成功しました。しかし……。

和音をL/R分離したバージョンと以前のバージョンを聞き比べると、明らかに音の広がりが変わり、よい感じになっています。でも何日か聴くと耳が慣れてきました。改めて原曲と聴き比べると、なんかこれはPOPSじゃない!!

私 「J.Tさん、最新のバージョンなんですが、原曲と比べると、なんかこうPOPSじゃない気がするんです。クラシックっぽいというか……。どうしてなんでしょう」
J.T「プロはDTM音源で音を作ってるわけじゃなくて、いろいろな音源を使ってますからね。機材が違うんだから、同じ音にはなりませんよ」
私 「それは確かに真理なんですけどね……」

オリジナル曲が入っているCDのブックレットを見直すと、使用楽器が書いてありました。昔流行ったJUNO-106やサンプラーを主に使っているようです。

汎用のDTM音源は、クラシック系など基本的な楽器が多数収録されています。しかし最近は1000を超える音色が収録されているので、昔のシンセの音色も多数収録されていたのでした。

そこで、ストリングスやトランペットなどクラシック系楽器の音色をすべてシンセっぽい音色、特にJUNOシリーズを販売していたRoland製シンセの音色(JUNO-***やJP-***など)に切り替えて、再調整しました。オリジナル楽器ではできたであろう音色のエディットは、レゾナンスやカットオフを変更することで対応してみました。

さらに、ここで和音について、新たな工夫が生じました。それぞれの高さの音の音量が同じでは、同じ雰囲気の和音にならないのです。上の音が一番強く、に一番下の音が強く、中間の音はやや弱めに、ただし和音の響き方によって強くなる音は異なるというアレンジが必要なことが分かりました。

私 「今回のアレンジはどうでしょう」
J.T「お、これはまた結構良くなりましたね」
私 「音色をJUNOやJP系に全部切り替えたんです。さらに、和音の音のバランスを変えてみました。中間の音を弱めにしたら、軽い雰囲気になったんです。もしかして、透明感のあるサウンドとかいうものってこういうテクも使うんですか?」
J.T「うん、それはありますよ」
私 「手でキーボード弾くんだと、大変そうですね」
J.T「そうね」

スーパーなエンジニアの人は、やはりこの技術を既に知っていたようです。本日の作業……成功。(つづく)


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