PCで音楽制作W その2

(前回のあらすじ) MIDI制作では波形編集がトレンドのようですが...

ある日、音楽番組(ラジオ)を聴いているとデモテープ募集をしていました。
「〜の曲を一緒にボイパしてくれる人を募集します」
「グループで応募してください。番組までテープを送ってくださいね」

グループの募集と言われても、自分すら歌をやってないのに、一緒に歌ってくれる人もいません。おまけに〆切は次の土曜日必着。ところで、グループ募集のところに多重録音したデモテープを送ったら、どうなるんでしょう?

早速スケジュール確認から。今週は早く家に帰れる日は月曜日のみ。しかも夜9時から別の用事があるので2時間半しかありません。

まず課題曲の楽譜が無いですから、マキシシングルから楽譜を起こします。複数のパートが必要なので7パートの楽譜を起こします。慣れないのでイントロ部だけで90分もかかってしまい、ここで楽譜作業は終了。

急いで楽譜をプリンターで印刷して、録音のセッティング。今回使うノートPCは普通のマイクが使えるので安いボーカル用マイクを使用。ヘッドホンでモニターしながらPC上のレベルメーターで確認すると、適当なレベルで録音できるようです。使用アプリは市販のMIDI/WAV編集ソフトです。

さすがに練習せずに一発録りは無理ということで、モニターしながら練習をすることにしました。ここでシステム上の問題が発覚。サウンドのレイテンシーが大きく、モニターしながら歌えないことが判明したのです。

レイテンシー問題とは、サウンド処理の時間が長いとINとOUTの差が大きくなり、実用的な処理ができなくなることです。今回はPC内蔵デバイスだけを使いました。マイクの入力をPCでA/D変換したら、WDMドライバーでアプリに
渡し、アプリがそのままWDMドライバーで出力します。さらにPC内蔵ソフトシンセの出力とミックスしてヘッドホン出力から出ます。この処理の結果、自分の声がヘッドホンに返るまで1秒近くかかり、さっぱり使えません。

自分の声を聴きながら録音することは不可能なので、MIDI出力をキーにして歌うしかありません。同様に、別のパートの歌の録音も聴くことができないので、声の入りや出をつかむことができないので大変です。

このような問題の対処をその場で考えながら練習をしているうちに、あっという間に45分も経ってしまいました。しかし、残り時間は15分。意を決して各パートの録音です。致命的なミスが無い限り、OKにするしか無い状況です。

こうしてなんとかほぼ15分で録音を終えました。もうミックスをする時間もほとんどありません。基本的には各パートのバランスを固定して、落ち着くところに設定します。ただ、どうしても途中で変えなければいけないパートがあったので、そのパートのWAVを2つのトラックに分解して調整しました。

3時間弱で出来る限りのことをしましたが、さすがにスーパーなエンジニアに聴かせたら笑われそうだったので、テープは聴かせず話だけしました。

数週間後、夜中にスーパーなエンジニアの人から電話が入りました。
J.T「例のテープ、放送で流れましたね」(つづく)


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