PCで音楽制作W その3

(前回のあらすじ) PCでボーカルの多重録音をしたMDを送ってから数週間後、夜中にスーパーなエンジニアの人から電話が入りました。

J.T「例のテープ、放送で流れましたね」
私 「え? あの番組を聴いてたんですか?」
J.T「うん、夜たまたまラジオをつけてたら例の曲が流れたんで……」

ふつうのサラリーマンは、あまり夜中にAMラジオは聴いてないと思います。

J.T「番組でほめられてましたね。よかったじゃないですか」
私 「でも、一人じゃだめって言ってたでしょ。グループ募集ですから」
J.T「他に一緒に歌ってくれる人いないんですか?」
私 「それが心当たりがいなくて。そうだ。J.Tさんが手伝ってくれません?」
J.T「え、私がですか!? ……いいですけど」

スーパーなエンジニアが仲間に加わった。(略)総勢5人のグループになった!

さて、企画上1〜2週間で次のMDを送らないと厳しいものがあります。しかも、今回集まった5人とも近年まともに歌を歌ったことがありません。年に数回、カラオケに行く程度です。これで前回並みかそれ以上のテープを作らなきゃ!

みなさん仕事が忙しいところを無理を言って土日の2日間を空けていただきました。制作工程上、ほとんど練習をする時間がありませんので、前々日に楽譜とデモテープをお渡ししておきました。

さて初日の土曜日。三々五々とメンバーがスタジオ稲田堤に集まりました。

私 「ところで、みなさん練習してこれました?」
K氏「昨日やろうと思ったんですが、残念ながらやってません」
T氏「まずはパートを決めてからだろ」
N氏「いやー、ほんと私なんかで大丈夫ですかね」
J.T「さあ、しっかり練習しましょうか」

……問題無い。予想の範囲内です。

さて、歌い慣れていない人が急に何時間も歌うと喉をつぶしてしまうので、練習込みで録音には3時間もかけられません。そこで、大きな声を出さずに各パートを別々に覚える練習をして、続けて一人ずつ録音しました。

グループ中の2人は土曜日しか来れないため、今日が本番の録音となります。録音は、スタジオ稲田堤(メンバーの一人のアパートの部屋)で安いボーカルマイクを立てて、直接PCで録音する方法です。残りの人の分も仮録音をして、ラフなミックスをして試聴しました。

私 「一日でこれだけできたら上等ですよね」
T氏「うむ、こんなものだろう」
N氏「いやー、これで本当に大丈夫なんですかね」
K氏「明日もがんばって録音しましょうか」
J.T「……ごめんなさい、明日までに練習してきます!!」

J.Tさん、もしかして一番真剣!? (つづく)


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