PCで音楽制作W その4

(前回のあらすじ) コーラスのテープを作るため、土日をかけて5人で別々に歌を録音しました。早速素材を持ち帰り、自宅で編集することに。

まず波形編集の方針の確認です。これはあくまでもグループ紹介用なので、いくら練習しても演奏が不可能なほど完璧なものにしてはいけません(笑)。練習の結果、達成できそうな演奏のイメージを編集のターゲットとします。

パンチング……録音が一回で決まらない場合、複数の録音をベースにして、良い部分だけをつないで1トラックに合成する手法があります。今回は1人が2本の録音から、もう1人が3本から合成することになりました。

オープンリールやカセットテープと違い、PCの画面上でのデジタル編集では画面の波形グラフ上をマウスでスクラブして音を聴きながら、実際にカットする場所を選びます。今回は無音に近い部分を指定しました。そして必要なブロックを1つのトラックにコピーしてつなげば出来あがりです。

出だしの調整……人間の演奏は、機械と違って完全なタイミングで行われませんが、特に今回は全員で一緒に歌う練習さえもできなかったので、発音の出だしは不揃いでした。そこで目立つ部分のみを調整することにしました。

タイミングを変えたい部分のブロックを分割したら、そのブロックを前後にスライドして理想的なタイミングに近づけます。今回は八分音符(♪)の1/16の幅で調整をしました。完璧に合わせすぎると不自然に聞えるからです。

音程の調整……今回は音程は大体合っていたのですが、一部に音程のずれが目立つ部分がありました。PCの波形編集はテンポ(再生スピード)を変えずにピッチ(音程)を変えることも簡単に出来ます。

上と同じ方法でブロックを分割したら、ブロックを選択してピッチシフターをかけます。これも完璧なハーモニーにせず、おおざっぱに調整します。

音量の調整……アナログのミキシングではコンソールのフェーダーを前後に操作して各トラックのバランスを取りますが、PCの波形編集では画面上で、各トラックにフェーダーのカーブをマウスで描きこんで指定できます。

まず、曲全体の強弱と「強弱の変化」に合わせる作業が必要です。録音時の楽譜にはfやp、cresc.などを指定していなかったこともあって、人によって強弱の変化がばらばらなので、イメージに合わせて各トラックを調整します。

次に、アタック等の発音単位の演出を考慮して、発音毎の強弱を調整します。アタックがついている素材はエンベロープを強調するようにカーブを描き、アタックが無い素材であっても発音単位でエンベロープのカーブを書き込み、
無理やりアタックをつけます。こうしてメリハリのある演奏にします。

以上のような処理を済ませたら、リバーブやコーラス、特殊エフェクト等を通して仕上げます。完成したら、PCからMDに落として番組に郵送します。

数週間後、夜中にスーパーなエンジニアの人から電話が入りました。

J.T「合格しちゃいましたね。……まじめに練習しましょう!!」

J.Tさん、練習すれば大丈夫です。多分。(おわり)


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